6. 国際協力について

6.1 APNICとは何か?

APNICとはAsia Pacific Network Information Centerの略です。この名前から
わかるように、JPNICとは密接な関係があります。現在の国際的なNICの関係は
下のようになっています。

                                 IANA
                                   |
                  +----------------+---------------------+
                  |                |                     |
               RIPE NCC          APNIC               InterNIC
                (欧州)       (アジア太平洋)           (北米)
                                   |
                        +------+---+------+-----------+
                        |      |          |           |
                      JPNIC  KRNIC      AUNIC        各国*
                     (日本)  (韓国) (オーストラリア)

一番上に書いてあるIANAはInternet Assigned Numbers Authorityというイン
ターネットソサエティの委員会で、IPアドレスだけでなくインターネットで使
われる各種の番号やキーワードの割当調整を行なっていまます。IANAの割当て
た結果の概要はASSIGNED NUMBERSという表題のRFCとして公開されています。
(例えばOct-20, 94発行のRFC1700ですが、頻繁に更新されますので最新のRFC
を参照されるようにご注意ください。)

IANAの下の段にはRIPE NCC(欧州)、APNIC(アジア太平洋)、InterNIC(北米)の
ような地域のNICが位置します。欧州ではNICとは呼ばずにNCC (Network
Coordination Centre)という名称になっています。RIPEとはReseaux IP
Europeansの略です。これら各地域のNICでカバーできない国々はInterNICが取
扱っています。そのためInterNICの分担範囲は北米だけには限りません。

さてAPNICの下にはJPNIC(日本)、KRNIC(韓国), AUNIC(オーストラリア)のよう
な各国のNICが並んでいます。アジア太平洋では、このようにcountry NICが組
織できている国はまだ数が少なく、その他の各国*のIPアドレスの割当はAPNIC
が直接行なっています。

6.2 JPNICとAPNICとの関係

JPNICが日本国内に割当てているIPアドレスは、APNICがアジア太平洋の分とし
て確保しているブロックの中からJPNICに割当てたものです。JPNICは手持ちの
アドレスが無くなると、APNICに申請して新しいブロックを割当ててもらいま
す。このようにJPNICの活動はAPNICと密接に関係しています。

さらにJPNICは、APNICがパイロットプロジェクトとして活動を開始した93年9月
以来、その実質的な活動に協力しています。具体的にはJPNICの中にAPNIC-WGが
あり、そのメンバがAPNICの活動の中で特にIPアドレスの割当に従事しています。
APNICの諸活動は各国のNICが分担する形になっており、IPアドレスは主として
日本のメンバが担当しています。またInformation ServiceはKRNICの担当です。
またAPNICのDNSははAUNICの人が管理しているなど、です。

このようにAPNICの活動を支えているJPNICですが、アジア太平洋地域でのイン
ターネットが活発化するのに伴って、IPアドレスの申請が急増しています。各
国のcountry NICを早期に組織することが望まれており、JPNICの登録管理業務
の経験が他の国でも活きるのではないかと期待されています。


6.3 APNICにおけるIPアドレス割当の概況

このグラフは'94/4/14~'94/10/27にAPNICが行ったIPアドレスの割当状況を示
しています。日本、韓国、オーストラリアについてはcountry NICが組織され
ているため、これらの国の申請者に個別にクラスCアドレスを割当てることは
原則としてありません。ただしクラスBのアドレスについてはcountry NICから
の申請を検討して個別に扱います。country NICが成立している国にはアドレ
ス256個を1ブロック単位として数ブロックずつ割当てます。このグラフには
country NICが 保有しているアドレスも含みます。なお本期間中にはオースト
ラリアには割当が行われませんでした。